KJ16087,148x141cm
有名なエルズルムの礼拝用キリムは沢山見ましたが、なかなか欲しいものには出合えません。
これほどきれいに、整然と柄を並べているキリムにお目にかかったことがありません。まるで、織り手の生き様そのものが織り込まれているように感じられます。懸命な仕事をしていながらも全く押し付けがましさがなく、奥ゆかしい美しさは織り手の品性そのものです。
「出合った!」と、手に入れたのは1997年です。
完璧な柄つけと思われるこのキリムですが、そこは女性の織物。 頭を空にしたい時は、間違い探しをしながら織り手と対話で遊べます。
織り手が想像し、織り上げた花園は、彼女の楽園です。水差しのデザインは、子供を授かりたいと願う気持ち、もしくは、もうすぐ生まれてくる子を待ち望む思いを表現しているといわれます。
正確で卓越した織り技術からすると、孫の誕生を待ちわびる祖母の織り物です。
細く丈夫に張った縦糸に、毎日、丁寧に進める一針一針の横糸は、様々な夢、思い、祈り、願いなどが込められた、今を大切に精一杯生きる織り手の生き様です。
タイムレスなキリムは、現代を生きる私たちに多くのメッセージを贈っています。
デザインは、ミフラブ文様=礼拝用デザイン、眼=邪視除け、 ベレケット=豊穣、 狼の口=邪視除け、羊の角=繁栄、たくましさ、 樹=不滅の繁栄、です。